阪神・デュプランティエ 来日初完封「感情の爆発が止まらなかった」圧巻6者連続含む12奪三振
「阪神2-0ロッテ」(19日、甲子園球場)
虎が勢いを取り戻した。阪神はジョン・デュプランティエ投手(30)が6連続を含む12奪三振で来日初完封勝利を飾った。球団外国人投手の来日1年目での完封勝利は2002年ムーア以来の快挙となった。3カードぶりの勝ち越しで交流戦のセ・リーグ“一人勝ち”。2位DeNAと3・5差とした。
デュプランティエは最後まで相棒を信じた。坂本の出した、首振りのサインに応じて投じたカーブで4番・山本を空振り三振。両手ガッツポーズでほえると、坂本とハイタッチし、抱き合った。大学時代以来の完封勝利は格別だった。
「感情の爆発が止まらなかった。ゲーム中は冷静でいられたけど、投げきったことを気づいた時に笑顔が止まらなかった」
初回は2死二塁のピンチを背負ったが、山本を二ゴロ。三回2死三塁でも寺地を二ゴロに打ち取った。「四回か五回くらいの時に坂本から、次は何をやりたいか聞かれた」と右腕。答えはこうだった。「坂本のことを信じるよ」。三振は配球に変化を加えた四回以降、六回からは圧巻の6者連続三振を奪った。
終わってみれば4安打、自己最多タイ12奪三振での来日初完封。球団外国人投手の来日1年目での完封勝利は2002年5月25日・中日戦でのムーア以来と快挙となった。圧巻の奪三振ショーにも「三振をいくつ取ったかを全く考えていなかった」と笑顔。「早いカウントから打たせて取ることができた。素晴らしい守備のおかげ」と109球に抑えられた要因を明かした。
四回には来日初犠打も決め、投打で勝利に貢献。藤川監督は「日本の文化になじもうとするところが一番、野球においても結果につながっている」と語る。それを象徴するのが右腕のグラブに刻まれた「デュプランティエ」の刺しゅうだ。
「日本にいる時にしかできないことなので、素晴らしいことと思って挑戦しました」とあえて日本語で名前を入れた。そこにはこんな思いがある。「日本の生活、野球になじむという意味合いも込めて入れました」。異国の地で適応しようとする姿勢が大きな強みだ。
お立ち台の最後も「ソウデスネ、ソウデスネ。ボチボチイコウカ、ボチボチイコウカ。オネガイシマス」と覚えた日本語で締め、虎党の笑いを誘った。試合後は応援に駆けつけていた母と抱き合って喜びを分かち合った。「どんなことよりも最高の瞬間でした」。チームの連勝、3カードぶりの勝ち越しを導いた助っ人には日本での理想像がある。「チームの勝ちに貢献できることが一番。自分が投げて周りの人が楽しんだり、期待してくれたら」。チームの1ピースとして、これからも熱い投球を見せていく。
◆歴代最高ペースを上回る奪三振率 デュプランティエはこの日まで59回2/3を投げて79三振を奪っており、1試合(9イニング)でいくつ三振を奪えるかを示す奪三振率は11.916。千賀滉大(当時ソフトバンク)が2019年にマークしたシーズン歴代最高の11.329を上回るハイペースで三振数を積み重ねている。
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